提言:いま一度、「性」というものに向き合い、そこから制度や職場環境を含めて考えていきませんか?
戸田さと美

私は女性に特化したマーケティングPRをはじめ、女性が「非常にデリケートにできている女性の体の仕組み」を知識として持ち、女性としての人生を積極的にプランニングできるようサポートをしていくため、イベントやセミナーなど様々な取り組みをしています。

今日における日本の義務教育には、「非常にデリケートにできている女性の体の仕組み」を正しく理解する機会が少なく、症状に気づいてからの対応策や相談機関はあるものの、未然に防ぐことを目的とした機関がありません。

また、女性の体についての知識を持っていたとしても、まさか自分があてはまるとは思ってもみない女性も多くいます。そのため、体に支障が出てから選択を迫られることが多く、積極的に女性の人生設計ができているとはいえません。
ホルモンバランスを含めた自分自身の体の仕組について、その重要性さえ認識することなく、「自分自身のケア」の仕方が分からないまま社会人になる場合がほとんどです。
男性も、女性が働きやすい環境とはどのようなものか、女性特有の体の仕組みの知識が不足していることが多く、サポートが十分とはいえません。

「非常にデリケートにできている女性の体の仕組み」「どういう状況でどういったことが起きるのか」を正しく理解する機会を十分に与えられていない女性が、人生の途中で健康を損ない挫折を感じる前に、(次項のような出来事)を、未然に防ぎたいと考えています。
 
●上司⇆部下間でのミスコミュニケーション:婦人系の不調を言い出せない環境
●パートナーとのミスコミュニケーション:生理的な仕組みが理解されないことによる家庭不和
●女性特有の身体への負荷や婦人科系疾患
●知識不足からくる妊娠タイミングのロス

このように、知識不足を起因として健康を崩し、仕事を辞めざるを得ない・仕事のペースを落とさざるを得ない女性が数多く存在し、出産の可能性を知らず知らずのうちに失い、パートナーとの関係性にも大きな影響を及ぼしている現状があります。これらの社会的・経済的損失は莫大だと思われます。
そこで、私たちは女性が美しくしなやかに、心身ともに健康に社会に関わることができる未来を創るため、活動を行っておりますが、その自分の気づきを促すような職場の環境や施設も重要だと考えております。たとえば、職場のカラーリングひとつとっても女性が癒されるカラーリングとはどんなものか?女性特有の不調に対して、どういった配慮ができるか?などを真剣に考えて実行していく必要があると思います。

人生の多くの時間を過ごす職場です。いま一度、性というものに向き合い、性レベルから制度や職場環境を含めて考えるのはいかがでしょうか。

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