提言:女性の離職率が低減するオフィスをつくってみませんか
長井亮

 私の会社では顧客の社員の離職率を下げるために、社員との定期的な面談、コミュニケーションサービスを行っています。これは社員が日々考えていることや不満、悩みなどをヒアリングし、思い込みで不満が増強しているものを事実と感想に分けて再認識してもらうというサービスです。面談をしていると多くの社員が思いこみで不満を抱え、やる気を失っていることがわかります。近年の採用環境の激化で、「多くの人材を採用する」ことから、「今いる社員を大切にし、定着してもらう」ことへと方針転換している企業は少なくありません。そのお蔭もあって定着支援のためのコミュニケーションサービスは引き合いも数多く来ています。

 さて、社員と面談をしていてよく出てくるキーワードがあります。それは「職場の人間関係」です。男性よりも女性の口からそのキーワードが出てくることが多いように感じます。厚生労働省の調査でも、男性よりも女性の方が「職場の人間関係」が仕事に関するストレスで高いというデータが出ており、職場の人間関係の精神的影響が大きいといえます。そのことからも日々コミュニケーションを交わし、ストレスを軽減していくとともに自由なコミュニケーションを促進するような仕掛けが必要といえます。面談でどんなに不満を取り除いても、またストレスを感じさせてしまう状況があると、同じ不満をまた抱えさせてしまいます。ではどうすればよいでしょうか。

 実は一つの方法としてオフィス空間の改善があります。いつでも相談できるように机の配置を工夫し、ちょっと気軽に話ができるミーティングスペースを設置してみる。これだけでも日々の業務において困ったことなど、すぐに相談できるため、コミュニケーションが活性化していきます。コミュニケーションが活性化すれば、職場での良い人間関係が築きやすくなり、ストレスを感じにくくなって、結果として離職率を下げていきます。

 オープンなスペース+快適な空間=人とコミュニケーションをとる心の余裕、という数式が成立するのだと、私には確信があります。快適なオフィス、格好いいオフィスで働きたいという願望は男性よりも女性の方が強いはずです。職場の人間関係に影響されやすいのも女性なのですから、そうなると良い人間関係を作るオフィス空間が重要になってきます。少しの工夫で職場環境はもとより、社内のコミュニケーションの活性化や良い人間係が築けるのであれば、これほど効果的な方策ははないと思います。まずは実践してみてください。

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