提言:会議室にテーブルクロスをかけませんか 主婦の発想を活かすオフィスファブリック
豊田健一

「2016年、今年の総務の課題は?」
昨年末から年明けにかけて多くの方から同様の質問を受けます。やはり注目すべきは「アベノミクス」。一億総活躍というテーマが人事の仕事に影響を与えることになるでしょう。とくに働き方変革が加速度を上げてくることになりそうです。そうなると、その働き方変革を下支えする働く場の環境整備が必須となり、それは総務のフィールドとなります。働く場の環境整備は、アベノミクスの根底にある課題、「労働力不足」への対応にもなります。採用において優秀な人材を引き付けるとともに、既存の従業員のロイヤリティーを高める、いわゆる、「A&R」、アトラクションとリテンションの向上に繋がるのです。

そこで今回注目したいのが、オフィスファブリックです。ファブリックとは布地のこと、それをオフィス内でも活用することで、無機質だったオフィス環境がますます快適になるというのです。色あざやかなテーブルクロスを、会議室のテーブルに掛ける。日当たりのよいダイニングテーブルのような居心地の良さ、無機質な感じの排除や部屋の雰囲気をシーンによって変えられるテーブルクロスの可能性。テーブルクロスの布地の色を変えれば、集中できる空間、ブレストのための発散の場へと、なにも会議室空間の壁の色を塗り替えることもなく、それ相応の空間に早変わりできるのです。

ファブリック本来の使い方であるテーブルクロスだけでなく、目隠しの効用もあります。手が回らず片付かないときは、ファブリックを被せることで、すぐに目隠しをすることができます。机の上が綺麗な人ほど仕事ができるのは、余分な情報がないことによると言われます。ファブリックを活用することで、集中できる場も作り出せるので、頭の疲れも軽減できます。

シンプルで、ありきたりのデザインになりがちのオフィスファニチャー。テーブルなどにファブリックをプラスすることで、「やさしさ」、「上品さ」、「丁寧さ」が加わり、気持ちにゆとりが生まれるのです。オフィスファニチャーの快適さ、オフィス内の壁の色合い、オフィスに流れる音や香り。オフィスの環境整備にはいろいろな仕掛けがあります。これからはちょっとしたオフィスファブリックを添えることで、オフィスがますます快適になるのではないでしょうか。

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