Y・Z世代は未来の職場を知っている
ミレニアル(Y)世代とそれに続くZ世代が社会において存在感を増しているとあるのは、日経新聞コメンテーターの中山氏の記事だ。(日経06-25)
Y世代とは1981~96年生まれ(諸説あり)の今年23~38歳。Z世代は97~2010年生まれで9~22歳。いずれも多感な時期、あるいは生まれた時にインターネットが存在し、「デジタル・ネーティブ世代」とも呼ばれている。
Y,Z世代が消費の現場ではすでに強烈なインフルエンサーであることは疑いようがない。「主義主張が固定化した企業やブランドに魅力を感じない」「ファストファッションを好み、食事はデリバリー、車は持たなくてもいい」と評価されている。が、働き手としてのY、Z世代は前の世代と比べてIT(情報技術)リテラシーが高く、新しい発想とSNS(交流サイト)などを通じたネットワーク力で今まで誰も想像しなかったビジネスを生み出すという評価が高まりつつあるという。
パソコンはかつて会社で支給され、教えてもらうのが普通だった。だが、Y、Z世代は高度なITの素養を入社前から身に付け、やりたい仕事をいきなり実践したいと考える。上下関係のしきたりを先輩から学ぼうとは思わず、今までのやり方では勝ち残れないとも考えている。もしかすると先輩世代とY、Z世代の間にITリテラシーなど仕事上の能力の逆転現象がたくさん起きていて、既存の大企業には年功序列で埋もれた若い人材が結構いるのではないだろうかと、コメンテーターの中山氏は考える。
YとZが中堅、ベテランの年齢に達すれば、会社は一段と変質するだろう。上意下達型の組織は機能しなくなり、小さなチームを主体に動くフラットな組織が一般的になる。イノベーションのあり方も当然変わる。
Y、Z世代とも働く目的へのこだわりが強い一方、短期での離職やネットで単発の仕事を発注するギグエコノミーへの抵抗感が小さい。やがて多数派になる両世代は激変する「未来の職場」を知っている。彼らの力、やり方を今から経営の革新に生かさない手はない。