BGMで働き方改革が進む!?リラックスや集中力向上、帰宅を促す音楽まで

静かすぎるオフィスではかえって集中できず、BGMや人の声で溢れるカフェの方が仕事がはかどるという声が以前からある。そこに目を向けたのが音楽配信サービスのUSEN-NEXT GROUPのUSENだ。BGMがオフィスの生産性向上や健康経営に貢献し、働き方改革に一役買うとあって、導入企業は全国に広がっている。(日経産業新聞01-12)

 

もともと店舗向け音楽サービスをオフィスに導入する企業はあった。だがJ-POPはにぎやかすぎるという声もあり、13年にUSENはオフィス向けサービスの開発に至った。当時は「働き方改革」という言葉はなかったが、会社でのストレスチェックの義務化が議論されるなど、従業員の健康管理を図る「健康経営」が広まりつつあった。USEN社内で健康経営に役立つ音楽サービスを作りたいとの声が出ていた。

集中力向上を目的に働く人の生産性を高めるバロック音楽、ミスを軽減するクラシック音楽。リラックスを目的とした海辺のリラックスタイム。リフレッシュを目的としたワーキング・マーチ。着づきを目的とした帰宅を促す音楽、士気高揚~ロッキーのテーマ~など110以上のBGMチャンネルがあり、導入する企業は、季節や時間、その場の空間に合わせて音楽を変えているという。

導入企業の満足度は高い。飲料メーカーのダイドードリンコが導入後の19年11月に実施したアンケートでは、社員のうち8割がBGMが「良いと思う」と回答した。「リフレッシュできた」「リラックスできた」との声があった。三井ホームは終礼のタイミングで「ロッキーのテーマ」を放送している。BGMの導入後、残業時間が24%減ったそうだ。

 

近年のオフィスづくりでは、耳や目など五感にどう訴えるかが重要となっている。オフィス緑化や、川や風の音といったより自然に近い高品質の音源を表現できるスピーカーを設置する企業も増えてきた。

働き方改革はハード面でも進んでいる。