テレワーク・デイズ2019の結果はいかに?

20年夏の東京五輪・パラリンピック開催まで残り1年を切る中、政府は19年11月11日に都内で「テレワーク・デイズ2019報告会」を開いた。テレワーク・デイズ2019は、IT(情報技術)を使ってオフィス以外で働くテレワークの試行を促すため、政府が7月22日から9月6日まで実施した全国キャンペーンだ。約68万人、2887団体が参加し、人数は前回のテレワーク・デイズ2018の約2倍、参加団体数は1000団体以上増えた。(日経 xTECH)
五輪大会による混雑が予想される東京23区内の通勤者については7月22日から26日までの5日間でのべ約124万人分減らせた。昨年、テレワーク・デイズ2018での通勤者の減少はのべ約41万人分。昨年の約3倍もの通勤者を減らせたことで、交通混雑の解消にテレワークが有効であると実証できた。1日当たりでみると26万8000人の通勤者が減り、千代田、港、新宿、中央と都心部の減少が特に目立った。

政府はキャンペーン終了後、参加企業に対してアンケートを実施。回答企業の約8割が「通勤などによる社員の移動時間が減った」と答えたほか、6割以上の企業が「業務の生産性が向上した」「社員の生活環境が改善した」と回答した。テレワークによって家族とのコミュニケーションを増やせたという声や、9月9日に上陸した台風15号で鉄道が運休したときにも、テレワークで業務を問題なく進めることができたといった声もあった。

ネットワーク整備、労務管理などの課題はあるが、テレワークは確実に、通勤ラッシュならぬ「痛勤」ラッシュと悪名高い都心の交通渋滞緩和に一役買った。

「2020年4月から取り組みに着手すると五輪大会に間に合わない可能性がある。テレワークの実施に向けた準備はできるだけ早く着手してほしい」。総務省の飯村由香理情報流通高度化推進室長はこう呼びかける。