103万円、130万円を超え、配偶者控除は150万円の壁へ
この欄でもしばしば取り上げてきた「配偶者控除」の、最新の動きを日経(11-24)が伝えている。女性の働く意欲を欠くとして長年やり玉にあがってきたものだが、いよいよ最終調整の段階。政府・与党案は「年収150万円以下」と打ち出された。
妻の年収が年収103万を超えると所得税の配偶者控除の対象から外れるという、いわゆる「103万円の壁」。これについて、もっと働きたい女性をなんとかしようという税制改革案であり、女性の就業調整を阻止しようというものだ。また妻の年収が130万円を超えると年金や医療の社会保険料負担が発生する「130万円の壁」とも重なる問題であり、これらをまとめて新たに150万円という控除枠をつくった。
お金が天から降ってくるわけではないから、財源を確保するため年収1120万円以上の高額収入の夫からは控除額を徐々に減らしていくことにした。
ざっとこういう所得税制だが、あくまで政府・与党案であり、このまますんなり決まるわけでもなさそうだ。だが、方向としては103万円、130万円の壁を一挙に乗り越える空気が強くなっているようで、遅かれ早かれ働く意欲を阻害する要因の一つが崩れるのは間違いなさそうだ。