長時間労働への挑戦。戦後雇用慣行との戦い方

働き方改革関連法案の成立で、安倍首相は戦後続いてきた雇用慣行正社員の長時間労働という見直しに踏み込むことになる。その象徴は月100時間、年間720時間までという残業の上限規制だ(日経6-6)

サラリーマンを取り巻く環境は大いに変わった。共働き世帯が当たり前となり、時間や組織にとらわれない働き方も広がってきた。だが、全体として労働生産性は先進国の中で最下位レベルだ。よその国より働く時間は多いのに生産性は低い。日本の国際競争力は年ごとに落ちている。

これまでも労働時間の規制はあった。一日8時間、週40時間というものだ。だが、抜け道があってそれが多用されてきたから規制はあってないようなものだった。悪名高いサブロク協定(労使が労働基準法36条にもとづいて月45時間、年360時間まで残業が認められる)というのがそれである。さらに特別条項を設けることで上限をなくすこともできる。残業時間は事実上の青天井だったわけだ。

この法案、野党は最後まで残業規制が不十分として批判したが、現状は青天井なのだ。それからすれば改革の大きな一歩といえる。

それでも課題は残っている。人手不足の産業分野に限っては残業規制の導入が2024年4月からに先送りされたこと、労働時間青天井の「脱時間給制度」も問題となるだろう。こうして日本の労働社会は月100時間、年720時間の新ルールへ挑戦していく。