米中貿易戦争のリスクのさなかで韓国版「働き方改革」

日本にならい、韓国でも、「働き方改革」が進んでいる。その先駆けが労働時間の上限引き下げだ。この7月から従来の週68時間を52時間に引き下げた。働き方改革「韓国版」の泣き笑いを紹介している(日経7-18)

 

残業が減って、夜の来客がめっきり減ったと、早くも飲食店は来客数の減少に悲鳴をあげているという。韓国企業では「夕方の退勤時刻を迎えたら、さっさと帰宅しようと考える社員が増えた」と、残業を敬遠する雰囲気が広がり、家族団らん志向が高まっていると同紙が伝える。企業によっては午後5時30分を過ぎると会社のパソコンの電源が自動的に落ちる。つまり、それ以上残っても出来る仕事が少ないのだ。

飲食店の客は減ったが、生鮮食品や加工食品の販売が伸びている。夫や妻が早く帰宅するようになって食卓を囲む食材の需要が増えているのだ。地元の新聞は「夕食のある家庭・来客のない食堂」となかなかしゃれた特集見出しをたてている。

 

政府が考えているのは国民の労働時間を減らしつつ賃金を増やしたいということだ。ロイター通信は、こうした韓国の労働市場改革がアジア経済圏の中心に位置する中国が減速の兆しを見せ、米中貿易戦争に巻き込まれるリスクが高まる中で行われていると指摘している。