管理職になりたくない理由は 仕事と家庭の両立が困難、能力がない、責任が重くなる  

 

管理職比率30%。女性活躍を象徴するものとして定着した感のある数字だが、業種、企業の事情によって圧倒的に女性従業員の数が少ないことがある。そういう業種、企業では管理職比率よりも先に、女性従業員の数を増やすことのほうがまず先決であるわけで、ほとんどの製造業はそういう面倒な課題を抱えている。(日経7-25)

そういうこともあって、日本企業に課せられた30%という数字は絵に描いた餅だと悲観する意見も出てくるわけだが(本稿でも「管理職になりたい、条件しだいでなりたい女性は合わせて35%にすぎない」という記事を掲載した)、しかし、もっと若い世代を見ると、必ずしも悲観するものではないと感じさせる調査もある。国立女性教育会館(独立行政法人)が昨年入社の男女を対象に管理職への志向を調べたところ、女性では「管理職をめざす」と答えたひとが57%とそこそこの関心度である。もちろん、男性の94%に比べると圧倒的に見劣りするわけだが、それでも先輩である女性たちの、管理職になりたい、条件しだいでなりたい女性が合わせて35%という惨状よりはずいぶんマシな数字と言えるだろう。

目を向けるべきは、この2つの調査の22%もの落差がどのようにして生じてくるのかという点だ。ちなみに女性教育会館の調査では、女性が管理職を目指したくない理由で一番多かったのは「仕事と家庭の両立が困難」、2番目が「能力がない」、そして3番目に「責任が重くなる」があげられている。どれも教育や意識の変化でクリアできそうな気もするのだが。