新型コロナウィルスは情報パンデミックとなった

感染拡大が続く新型コロナウイルスは「データの世紀」に入った人類が初めて経験するパンデミック(世界的流行)となった。

2月末、全国の店頭からトイレットペーパーが一斉に消えた。買い占めはなぜ起きたのか。東京大学とデータ分析会社ホットリンク、日本経済新聞の共同分析で、意外な犯人像が浮かんできたという。(日経04-06)

「中国から輸入できず、品切れになる」。ネット上でいまも騒動の「主犯」と批判されるのが、2月27日午前にツイッターに流れた1本のデマ投稿だ。だが「トイレットペーパー」の単語を含む全投稿を調べると、このデマのリツイート(転載)は1件のみでほとんど拡散していなかった。しかし、数時間後。「大半が国産だよ」「落ち着いて」。善意の”デマ退治”投稿が次々と広がり、ツイッターの話題上位に入る。それに呼応し、紙製品の品薄を知らせる注意喚起の書き込みも急増し、翌日までの2日間でデマ否定のリツイートは累計32万件に及んだ。ニュースサイトなどにも広がり、全国規模の騒動に発展していく。偽情報を打ち消す善意の各個人の投稿が逆に品不足を連想させたのだ。

 

デロイトトーマツコンサルティングの試算では、世界の「情報拡散力」は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の大流行時に比べ68倍になった。劇的な変化をもたらしたのが、ツイッターやフェイスブックなどのSNSの登場だ。1対1の伝達のメールから、SNSは瞬時に1対多の交流を可能にする。迅速な情報共有や助け合いをもたらすというメリットもあるが、デマなどで翻弄されるデメリットを生み出した。

 

そして、今回、未知のウイルスは情報パンデミックという新たな非常事態をも人類にもたらした。

私たちは、メディアリテラシーを今一度胸に刻む必要がある。

メディアリテラシーとは、(総務省より)

1、メディアを主体的に読み解く能力

2、メディアにアクセスし、活用する能力

3、メディアを通じコミュニケーションする能力

をいいます。

情報を正しく手に入れ、根拠の薄い情報は安易に拡散しないよう気をつけよう。

 

【首相官邸のホームページ】

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

 

【厚生労働省のホームページ】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html