帰宅時間が遅い子育て世代、帰りたくなる仕掛けが必要

働き方改革関連法の施行で、4月から残業時間に関する上限規制が適用になった。

日本は仕事からの帰宅時間が他国より遅いとの調査もあり、効果が期待されている。

(日経04-15)

 

日本と中国、インドネシア、フィンランドの都市圏で幼児期の子どもを持つ働く母親が平日に帰宅する時間のピークは、インドネシアとフィンランドが16時台、日本と中国は18時台だ。(ベネッセ教育総合研究所2017年調べ)父親はフィンランドが16時台、中国は18時台、インドネシアは19時台の一方、日本は19時台から0時台まで分散し、遅さが際立つ。父親の帰宅時間の遅さは育児にも影響を与えている。父親が平日に子どもと一緒に過ごす時間は日本が最も短く、6割が「2時間未満」だ。
早くから残業時間を減らしてきた企業もある。伊藤忠テクノソリューションズは14年度以降、朝型勤務を奨励している。始業時間の変更、オフィス外での勤務や在宅勤務を認める制度も順次、導入。16年秋には「退社時間の見える化カード」を社員に配り、出社したときに退社予定時刻を机の上に掲げる。残業が多い部署は周囲から一目でわかるというわけだ。同社の残業時間は14年度に月平均34時間。一連の取り組みの効果で18年度は同24時間に減った。

ユニークなサービスも生まれている。USENは2月、東京芸術大学と共同で制作した「帰宅を促す音楽」の放送を始めた。1曲5分の3曲で構成し、終業時刻に繰り返し流すと最後は「仕事が順調に進み、終業時に感じる快適な気分」になり、「帰りたくなる」効果が出るという。今後は、例えば、在宅勤務でオンとオフのスイッチを切り替えやすくする音楽といった、色々な場面で役立つ音楽を開発する方針だ。

働き方改革は世の中を大きく変えつつある。