小さなブティック企業が人気を集めるアメリカで最先端シェアオフィスが登場

オフィスを共同で使うシェアオフィスは日本でも珍しくなくなったが、アメリカでは、「オフィスでも、家でも、クラブでも、レストランでもなく、そのすべてがある場所」といわれるシェアオフィスが話題だ。ビジネスや生活のあらゆる面で「シェア」がキーワードになっているアメリカらしい最先端ぶりを『SUUMOジャーナル』(リクルート)が伝えている。

ソース:http://suumo.jp/journal/2015/08/25/96048/

 

ブルックリンのマンンハッタン25番街にある「ノイエハウス(Neuehouse)」。2013年にオープン。1000人の入居待ちを抱える人気の最先端オフィスだ。素っ気なく小さい入口。古い5階建てのビルのコンクリートフロア。750人が働いている。入ってすぐのラウンジの一角にはフリーアドレスの空間。アンティークの木製のデスクが並び、落ち着いた雰囲気であったかい。手前には思い思いに時間を過ごせる階段型のソファ。大きな窓からは自然光が注ぐ。2階から上は観葉植物がふんだんに置かれた執務スペースだ。個人でデスクを契約する。ゆったりとしたソファと大きな本棚。最新トレンドを身にまとったオシャレなメンバーが談笑しながらラウンジを闊歩する。法人向けのゾーンは一室数名から20人程度までの収容力がある。建物には評判のレストランとカフェ・バー。地階には5、60人収容のシアタールームとジムなど居住性の高い設備が揃っている。

 

運営は「WeWork」という、シェアオフィス業界をリードする企業だ。この建物のコンセプトは、コ・ワーキングからコ・リビングへ。家も職場もひとつ屋根の下というもの。長期滞在したければ1ヶ月の家賃4,000ドルだ。仕事が好きな企業や個人が集まって、ワインを飲んだり食事をしたりしながら、リラックスして意見交換し、刺激を与え合う場をめざしている。東京では5分単位で課金するというせちがらいシェアオフィスも登場して、コストパフォーマンスが競争力につながっているが、ニューヨークはちょっと方向が違ってもう少し優雅な方向をたどっているようだ。

もともとフリーランスや自営業、起業家といった層が分厚く、さらに近年は大企業の気力が薄れ、小さなブティック企業で働くことが理想とされる。そんな背景にふさわしいシェアオフィスの一例だ。(9-27岩崎)