子育て支援がまな板の上にのってきた

 子育て支援で東京都が16日、「女性活躍推進白書」を策定したと発表した。都内の女性の職場環境、出産・育児などをめぐる現状や課題、変革に向けた提言を取りまとめたものとして産経新聞が伝えている(2‐17地方版)。舛添知事は「女性が出産、育児、介護などに直面すると、家庭生活の負担が増して、結局、仕事やめてしまおうか、ということになってしまう。そこで、そうならないために、『家庭もちゃんと、仕事もちゃんとやりたい。キャリア継続したい』という女性を応援する必要がある」という認識を明らかにした。

 この日の舛添知事の記者会見では、総務省の社会生活基本調査が取り上げられ、仕事を持つ都内の男性の平均帰宅時間は午後8時28分、女性は同6時37分で、男女とも全都道府県でもっとも遅かった。白書では、こうしたデータを盛り込みながら、都として働き方の改善に向けた体制を整備する企業に奨励金を出したり、在宅勤務のあり方を実証的に検証したりする方向性を提示している。また、シングルマザーの子育てを支援する女性のエピソードなども紹介している。

 これらのニュースに関連して思い浮かべたのはベビーシッターという子育て支援サービスだ。経済特区に限って外国人スタッフをベビーシッターに起用するなどの動きがにわかに注目を集め、一方で140万人が保育士資格を持つのに就業している保育士はわずかに62万人という現状を捨て置くのかという素朴な疑問もある。だが素直に喜んでいいのは女性活躍のスローガンとともに、これまで手をつけてこなかった積年の課題がまな板の上にのってきたということだろう。(2-18 岩崎)