女性活躍、進まず6割。役職なしの女性と管理職層に大きなギャップ  

 

「女性は補助的な仕事ばかりで、意見も聞いてもらえない」(事務・37歳)、「この仕事は大変だから女性には無理と言われる」(営業・49歳)。20年も30年も前の女性の声かと思ったら、そうではない、このほど日本経済新聞(1-16)が行なった女性を対象とした意識調査で出てきた意見だ。

 

政府が女性活躍推進の旗を振り始めて5年がたった。この流れは2013年4月、安倍首相の成長戦略スピーチから始まり、大企業はこぞってこの新しい問題の取り組みに力を入れた。3年後、女性活躍推進法が全面施行され、女性の採用や育成は企業の果たすべき義務となった。だが、この調査が明らかにした女性活躍の実態は期待通りではなかった。自分の会社で女性活躍が進んだ実感がある女性は2割どまり。6割が職場改革は進んでいないと感じている。そこに出てきたのが冒頭の女性たちの声である。

 

だが、女性たちの実感には属性の違いもある。年代別では20代の25%が「進んだ」「どちらかというと進んだ」と答えているのに、40代は17%。また子どもありの女性は26%、子どもなしは18%といったふうだ。とくに入社時から女性活躍を期待された層や、両立支援制度を活用した層では、実感する割合が高かった。とくに違いが大きいのは役職についていない女性と管理職層の女性のそれで、実感の割合は10ポイント以上も離れている。組織運営の当事者意識の違いによるものだろう。