女性の就業人数は200万人増でM字カーブに変化  

 

待機児童の解消は道半ばだが、女性の就労はゆるやかに増加している。育児休業など企業の制度整備が進んだことで30~40代の女性の離職に歯止めがかかり、働く意欲を持つひとが多くなってきたという分析だ。日本経済新聞(9-9)が伝えた。

 

これまで日本の女性就労は30~40代になるとM字カーブで落ち込み、労働力人口の中央部がくぼんでしまう傾向があった。ところが、ここ最近このカーブがゆるやかに台形に変わりつつあり、欧米型の特徴に変化してきた。この背景には女性の就業人数が200万人増えた勘定になっており、政府の想定以上のテンポで進んでいるという事情がある。この構造変化は歴史的な出来事だと専門家は指摘しており、企業側の離職防止の大きな成果だと評価する。現場の数字で見ると育休取得は8割を超え、政府の育休休業給付金の受給件数はこの10年で2倍以上に増えているといった具合だ。

 

日本マクドナルドが主婦の積極採用に乗り出した。現在、全国の店舗で3万人近い主婦が働いている。週1日、2時間から働ける、勤務シフトは自由に組めるなど、働きやすさのための制度設計がバックアップする。こうした企業の努力でM字カーブを解消し、労働力を底上げできれば、それは理想的な方向だ。だが、皮肉なことに積年の課題である待機児童のほうは減るどころか一層ふくらむことになる。保育予算を追加整備するが都市部の整備が遅れ、ウサギとカメの競争ですぐの解消は難しくなる。