女性の仕事のチャンスが広がってくる予感

6月から新卒の採用選考が解禁になったこともあって中途採用が脇役にまわった感があるが、企業の採用意欲は依然として活発だ。一部では女性活躍推進法の施行を背景にマネジメント経験のある女性を積極採用する動きも出てきたらしい。

飲料メーカーが37歳の女性を営業マネジャーとしてキャリア採用した。44歳の女性が営業マネジャーとして転職して年収を大幅に増やした。フリーの研修トレーナーの元には女性社員の新規採用に伴う研修依頼が秋口まで一杯入っている…女性にとって仕事のチャンスが広がってきたことを予感させる動きのいくつかだ。
政府は10兆円規模の大型経済対策を進める中で、「働き方改革」をはじめとする構造改革を進める方針という。そのいくつかの具体案が紹介されているが、同一労働同一賃金、脱時間給は女性活躍につながる格差是正の試みとして面白いのはないか。
脱時間給は個々の働き手の能力を引き出す効果が期待できる。労働時間でなく成果に賃金を払うのだから導入されれば、より柔軟で効率的な働き方が期待できる(日経7-15)。

男女格差の象徴として存在した130万円の壁を取り壊す作業も進行中だ。女性の働く時間が増えると年収130万円を超えてしまう。すると社会保険の個人負担が20万円増える。そこで女性は130万円を意識して働く時間を調整することになる。この悪循環を一掃するため企業への助成金を強化する。具体的には従業員1人に20万円出す助成金の対象人数を増やす。本年10月から暫定実施されるという。