女性が活躍する企業が株式市場でも人気が高いのはナゼ?

 女性が活躍する企業は株価も好調だと日本経済新聞が伝えている。女性役員が多い銘柄の人気は市場平均を上回り、「女性の活用は企業の成長力を高める」と前向きに評価して「女性活躍応援ファンド」も登場した。この1年、東京株式の上場企業で女性役員の比率が1割を超える57社の株価上昇率は22%(10月末時点)に達し、東証株価指数(TOPIX)の上昇率(11%)を大幅に上回った。日経平均株価9%もはるかに上回った。

 女性がマネジメントに関わるだけで直接業績に影響する訳ではないが、それが株価に反映するのには理由がある。「女性が活躍する企業」なら、その企業は柔軟な経営が可能になり、潜在的に高い利益成長が見込めるというイメージがつくられるからだと証券会社のファンドマネジャーは指摘する。女性登用の動きをとらえた投資信託が出てきたのもその流れからだ。大和投資信託は今年3月に「女性活躍応援ファンド」を設定した。社内の女性活用の実態や女性向け商品など、独自の基準で選定した約100銘柄に投資する。商品パンフレットのデザインが女性の好むおしゃれな仕上がりなのは顧客ターゲットが女性だからだ。女性が活躍する企業を女性自身が支援することで、社会進出に対する意識を高めてもらうことが理想と同社は説明する。

 株式市場では人気の女性活用の動きだが、現実の女性活用はまだスピードがついていけていない。企業内で女性が活躍の場を見いだし、キャリアを積み重ねていくのはそう簡単なことではないのだ。肝心の女性が昇進・昇格を望まないこともあって、女性リーダーの育成は道はるかといったところだ。(12-16 岩崎)