在宅勤務に応援アプリ。すっぴんでもテレビ会議がやれます  

 

在宅勤務文化が日本独自の進化を遂げていきそうな予感がする。さすが、というべきか。美の追求者・資生堂が、接客に使うメーキャップのシミュレーションソフトを応用してモニター越しにきれいな自分を見せたいという女性の気持ちに応える。在宅勤務の環境整備として注目される(日経6-20)

 

資生堂はテレビ会議で顔の見栄えをよくするアプリを完成させた。この開発は表情の暗さや毛穴が目立つことを嫌う女性が多いという話を聞いたのがきっかけになった。もとになったのはメーキャップのシミュレーションソフトで、同社に約1万人いる美容部員が、百貨店などの店頭でタブレットにインストールしたソフトを接客に活用しているものだ。美容ノウハウと顔パーツの検出などのIT技術のドッキングでは日本マイクロソフトの協力が得られた。完成したアプリは「テレビューティー」と名付けられ、2016年には日本MSの女性社員約100人に利用してもらった。その9割が機能に満足し、再び使いたいと回答したという。現在、資生堂と日本MSを含めて8社がテレビューティーを社内会議などに試験運用している。いずれも評判は上々で、テレビ会議のためだけに化粧をする手間を省けるうえ、自分らしい美しさを表現できることへの女性からの評価が高い。

 

資生堂は自社で利用するほか事業化も検討する。働き方改革の機運が高まって在宅勤務が増えれば、テレビューティーの活用場面は増えるというわけだ。通勤時間を省略できる在宅勤務は育児中の女性からのニーズが高い。在宅勤務文化が日本で進化する兆しを感じる。