副業、兼業は人手不足を解消するか

人手不足を解消するためと、一人で2社、3社を掛け持ちで働く「副業」ならぬ「複業」という奇策が登場した。政府が推進する副業、兼業を容認する企業の割合は全体の23%に達している。日本経済新聞電子版(8-29)が伝えた。

 

東京・港区のIT企業に勤務するKさん(39歳・女性)は正社員として働く会社以外に2社と業務委託契約を結んでいる。Kさん自身、採用を担当する人事課のスタッフとして副業・兼業人材の確保に忙しい。「副収入としてでなく本業を複数持つというイメージで副業人材を採用したい」という。その背景には正社員では採用が難しくても複業採用なら優秀な人材を採用できるという会社の思惑がある。スタートアップの企業を中心に5社に1社は副業・兼業を推進するという現状。だが、問題は勤怠管理だ。企業は「社員の長時間労働・過重労働を心配し、働く側も決めた日時以外にもつい仕事をしてしまうので「もっとも難しいのが時間管理」という。

 

アメリカでは、労働人口5500万人の35%がフリーランスとして仕事をしているという。ここでいうフリーランスとは本業以外に副業を持つ人を含んでいる。なんと2020年までにはこの数字が50%までふくらむという予想だ。こうした働き方の利点は人材の能力開発を加速化するという見方がある。それはまた人生観の転換も意味しているだろう。