入社直後なのに就活再開!?若手の転職はなぜ増えているのか?

若手の転職市場が急拡大している。転職支援のマイナビワークスが運営する20代向けサービスでは、18年8月~19年7月の登録者のうち、学校を卒業してから3年以内の人が前年同期比34%増えた。

エン・ジャパンが運営する若手向け転職サービスでは、銀行や大手商社出身の転職希望者数が1~8月に前年同期比で1.2倍に達した。

若手人材の流動化が急速に進み始めたことがうかがえる。(日経10-09)

 

かつての就活で「勝ち組」とされた業種からの転職が相次いでいるのが最近の特徴だ。

メガバンクを中心とした銀行業界は数年前まで大量採用を続けたが、店舗の統廃合に加えて定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入が加速。銀行の行く末を案じた若手が転職に動き出している。転職市場では意識の高い銀行員は評価されており、外資系企業などからの引き合いが強いという。

 

若手転職が増加する底流にあるのは、終身雇用や年功序列といった日本型雇用の崩壊だ。新卒で入社した会社で定年まで勤め上げるより、複数の会社を経験して早めにキャリアを積みたいと考える若手が増えている。

それに加えて人手不足で転職しやすい環境が続いていることや、大学生の就活が早期化していること若手転職が増えている要因の一つになっているとの見方もある。

 

過熱する売り手市場の中で、一部の学生は本来時間をかけて取り組むべき業界研究や自己分析が不十分なまま内定を獲得する。そのため入社後に「社風が合わない」「思っていた職場と違う」などと判断して気軽に退社する風潮がある。よりブランド力のある会社に、友人や知人に自慢できる会社へと企業を消費者感覚で選んでいる若手も多いという。