働く女性+国際化+人手不足=家事代行サービス

ワーキングマザーの力強い味方が現れそうだ。ダスキンやベアーズ(東京)など家事代行の大手がフィリピンなど外国人を活用して需要拡大に本腰を入れるという(日本経済新聞)。洗濯や掃除はもちろん、買い物や育児まで、幅広い要望に応える。家事代行サービスは高齢化や共働き所帯の増加などを背景に需要拡大は見込まれるものの、人手不足が大きな壁とされてきた。外国人の活用はこの障害を乗り越えるきっかけになるものと期待される。

 

家事代行に外国人を受け入れるのはアベノミクス成長戦略に呼応する動きだ。政府はこの試みをまず国家戦略特区の大阪府、神奈川県で先行実施する方針。外国人の定着をはかるため、雇用形態はフルタイムの直接雇用に限定。報酬も日本人と同等額以上を支払う。消費者の一部には家庭に外国人が入ることへの抵抗感があるが、日本人スタッフとペアで派遣するなどの工夫をこらすという。託児サービスをはじめとして女性支援の方法は様々あるが、ここで家事サービスが本格化すれば女性が働くうえで障害になる要素はかなり減るのではないか。

 

日本は外国人就労に厳しい国といわれる。実際、外国人技能実習、看護師、介護補助と続いた外国人導入の試みはそれほどはかばかしいものではない。しかし、家事スタッフの導入が実現すれば今後ぼう大な需要が予想されるスケール感がある。単純労働者、研究者や技術者など従来からの在留資格に加え、第3の在留資格を生み出す可能性にもつながるだろう。女性の就業支援という意味だけでなく、日本の雇用事情にも大きな風穴を空けることになるかもしれない。その意味でも注目したい動きだ。(9-2岩崎)