働く女性が目標とする人物を見つけられない日本の事情

働く女性が目標とする人物は誰か。ロールモデルとして憧れる著名人を調べたところ俳優の天海祐希さん(2%)、東京都知事の小池百合子さん(1%)らが挙がった。問題なのは全体の81%を占めたのが「いない」ことだった(日本経済新聞1-22)。

 

海外では、この手のロールモデルといえばメアリー・バーラ(ゼネラル・モーターズGM)、バージニア・ロメッティ(IBM)など著名経営者があがる。また、シェリル・サンドバーグ(フェイスブックCOO)も、夫の不慮の死に遭いながらシングルマザーとして2人の子どもを育てていることで知られ、その生き方に共感する人が多い。このように女性にとってロールモデルが見つけやすいのが海外のビジネス界なのだ。
日本は男女雇用機会均等法の施行から約30年たったが、まだ役員や上級管理職として活躍する第一世代の女性は数自体が少なく(上場企業でも女性役員は総数の3%。ゼロの企業は69%あった)、そういう女性たちにはどちらかというと私生活を犠牲にしてきたというイメージがつきまとってしまう。人生の目標にするには躊躇してしまうのだ。結局のところ人生の目標と憧れが混在して俳優や有名人に重ね合わせてしまうしかないのだ。

 

働き方や価値観が多様化する中で、すべてを手本としたいような存在を見つけるのはたしかに困難だ。自分で納得できる要素を複数の人から少しずつ取り入れ、自らロールモデルをつくることを求められているのが現在の女性たちだと同紙は結んでいる。