働き方改革の行く手にある週休3日制

昨今の働き方改革にドライブをかけているのは中小企業に深刻な人手不足だ。本来の生産性向上とは目的がずれるだろうが、人材確保に向けて週休3日制を取り入れる中小企業は少なくない。日経紙(8-15)がレポートした。

 

全社員1000人の農機具メーカー(広島)は土日に加えて月曜も休業日にした。だが、テスト期間中、約2割の社員が出勤せざるをえず、一斉休業の難しさが分かった。それでも挑戦は続ける。背景には地方の企業が人材事情で不利な事情がある。学生に「休みやすい会社」をアピールしようというのだ。就活学生は企業選びで「勤務時間・休暇」をなによりも重視し、それは「給与水準」を上回っている(リクルートキャリア調べ)。

全国で介護施設を運営する会社も2年前に週休3日を導入した。勤務を週5日、1日8時間から週4日、1日10時間に移行した。労働時間は同じで給与も変わらない。先々を見据えて「長く働いてもらえる環境づくり」の一環だ。一方、外食大手や宅配業界でも週休3日の動きが急ピッチだが、結果はといえば、社員には「しっかり働きたいというニーズが多い」ということで必ずしもうまくいってない。

 

世界でも稀な「会社にいるのが好き」という国民性だ。単純に働く日数を減らすだけの制度では学生たちの人気はともかく、社員や企業のストレスは高まることも考えられる。仕事と休みのバランスをめぐって試行錯誤が続くだろう。