ワークライフバランスよりストレスフリー生活を求める女性たち

「仕事も大事だけど、私生活のスタイルを崩したくない。」
働く女性はそう思い、ワークライフバランスを重視している。誰もがそう考え、働き方改革は進んできた。女性の就労なくして、労働力不足は補えないからである。しかし、若者のワークライフバランス追求へのあきらめ感が加速している。今、若い女性を中心に起きている新しいムーブメントはストレスフリ-生活だ。(ELLE08-30)

 

現代の20代女性はパートナー含め、他者との関係性の中に達成感や喜びを感じる価値が低下し、自分自身の生きがい・夢に成功を見出すことを重視する女性が増えてきているということが調査でわかった。ストレスフリーな生活をより求め、ワークライフバランスには興味がなくなっているのだ。
夢や情熱を向けるものがあるほど、ワークとライフは区切ることが難しくなる。ワーク、つまり情熱を向けるものそれ自体がライフになる。大切なものがはっきりしているので、そこには“バランス”という概念は合致しない。一方、自身の目標や情熱のため奮闘することとストレスは表裏一体であり、この厳しい社会で自分の目標のために頑張るにはストレスは最小化したい、またはより良い結果を得るためにも無駄なストレスは減らしたいと、20代の若い女性は合理的に考えているようだ。

また、20代女性は夢や情熱に向かっている自分自身に、子供が歯止めになってしまうことへの懸念が見られる。女性が自分自身の目標に邁進するとき、結局のところ出産・育児が重くのしかかってくる現実をよりシリアスに捉えているということ。これは明らかに、現状の社会設計の失敗だと言えるだろう。夢を持って情熱的に仕事をすることと、家族を持って幸せに生きること。この二つは女性にとってはいつも究極の選択なのかもしれない。どちらも追求できることができれば、それは一番幸せだろうが、今の社会の中では決して簡単ではない。ワークライフバランス、ワークライフバランスと繰り返した結果、それに合わせて制度設計ができていない現代社会では、ワークライフバランス追求がさらなる茨の道でしかないことに若い女性たちは気づいている。