ワーキングママの頭痛のタネは尽きない

女性活躍の推進で薬品業界に影響が現れてきたと興味深いニュースを日経新聞が伝えている(11-22)。仕事に育児にと忙しい働く女性の増加で、早く効く解熱鎮痛剤の売れ行きが伸び、胃腸薬でも「肉食女子」と呼ばれる女性の需要が新たな成長市場として注目されているそうだ。

 

働く女性は昨年2883万人に達して、10年前に比べて124万人増えた。これに伴い、女性の悩みも増えている。「昇進か、出産・育児か」「働きたいのに保育園が見つからない」。この結果、働く女性の3人に1人が週1回以上の頭痛を経験している(解熱鎮痛剤「ロキソニンS」を発売する第一三共ヘルスケア調べ)。同社の購入層の7割が女性だ。同じ調べでは、とくに管理職層が頭痛に悩まされているという。頭痛のタネは多いが仕事や育児を休むわけにいかない。そこで「即効性を訴えたら売上高が伸びた」と同社の弁だ。

こうした傾向は数字にも現れている。

調査会社インテージがまとめた国内の大衆薬(処方箋なしで購入できる一般医薬品)市場は2016年度、1兆938億円と20年前に比べて15%縮小しているが、その中で頭痛や解熱に効く解熱鎮痛剤の市場規模は538億円、15%増加して伸びが目立っている。

 

ワーキングママの悩みを調査したら、上位5位は①仕事と家庭の両立について ②自分の時間がない ③保育園の問題 ④健康面 ⑤仕事関係となっている。

頭痛薬が売れるわけだ。