パンデミックが経済活動に与える影響とは?

今回のパンデミックが経済活動に与える影響を、日経新聞の「大機小機」欄で経済学者が「可能性の高いシナリオ」として提示していた。

それによると、その終息までに外出・営業の自粛、学校の休校などがどの程度広範に、長期間にわたり必要になるかに依存しているという。

 

各国は厳しさの異なる検疫対策を行うことで、異なるペースでパンデミックを抑え込んでいく。感染者は高齢者を中心に1~3%程度が死亡するが、大半の人は回復し経済活動に復帰する。1度感染した人は数年程度の免疫を得るので徐々に社会活動は正常化する。有効なワクチンや治療薬が1~2年程度で実用化されていく。それにより、3~5年程度で新型コロナウイルスは「非常に厳しいインフルエンザ」程度の疾患として認識されるようになる――。

このシナリオではここ1~2年は厳しい検疫、ロックダウンなどが必要になり、世界経済は重大な悪影響を免れられない。マクロ経済への影響としては、飲食店、旅行会社、宿泊業などサービス業の縮小、旅客を中心とした航空会社、鉄道会社、バスサービスなどが大きな影響を受け、多数の企業の破綻、雇用の大幅な減少は避けられない。

海外経済の落ち込みも輸出を相当減少させる。この結果、日本経済はリーマン・ショックをかなり上回る悪影響を受ける。

 

産業構造としては、外食産業から家庭内消費へのシフトに伴う食品スーパーの拡大、宅配や動画配信サービスの拡大、海外旅行から国内旅行へのシフトが生じる。検疫の緩和は徐々にしか進まないため、観光やビジネスによる海外旅行は相当長期間にわたって低水準を続ける。

暗いニュースばかりで嫌になるが、世界は過去にもパンデミックを乗り越えてきた。早くこのトンネルから抜けられることを願う。