テレワークが増えてオフィスは不要になる!?

東京都が無作為抽出した従業員30人以上の企業を対象に実施し、394社が回答した調査でテレワークを導入した都内企業が4月は63%だった。3月時点では24%だったので、1カ月で2.6倍にもなった。導入した企業の規模別結果は、大企業が79%、中小企業が71%、小規模企業が54%。いずれも導入率は前回調査から2~3倍である(日経05-13)。

 

テレワークを実施した企業の経営者や社員はそのメリットを享受した。経営と業務の両面で効果があるのなら、感染拡大が収束しても後戻りすることはないだろう。

「今ほどのオフィス面積は必要なくなるのではないか?」という声がある。実際、スタートアップ企業や社員数の少ない企業でオフィスの解約がニュースに上っている。しかし、多くの企業のオフィスは一定数の社員がテレワークをする前提で構築していない。今後、第2波、第3波が予測されるウィルス感染症に備えるためには一般に「6~10平方メートル程度」とされる1人当たりのオフィス面積を増やして、座席の間隔を空けなければならない。BCP対策を重視する企業ほど、会議室やミーティングスペース、食堂・休憩スペースなどで、人と人の「間隔」を広げるわけだ。そのため不要なフロアはさほど生じないだろう。

 

 

オフィスで働く価値は対面でコミュニケ―ションが取れるということだ。集中作業や個人作業はテレワークで行い、オフィスはリアルに人が集まることでチームの協働作業ができ、様々な接点を持ちそこから新しいアイデアが生まれる場になる。人と人とのつながりは必要であり、アナログでリアルな関係で、共通の時間を過ごすことこそ重要だという認識になる。オフィス環境としては3密を避けるため、密閉空間を作らないフリーアドレスやオープンスペースなどソーシャルディスタンスに対応できるよう求められていく。