スーパーウーマンと女性管理職30%の壁

 男性と同じように働きながら、家事や育児をこなし、しかも子沢山であり、企業幹部という重責も担っている。そんなスーパーウーマンを絵に描いたような女性たちの声を日本経済新聞(4-17)が特集した。

 コカコーラビジネスソーシングの社長、荷堂真紀さん(47)は二男三女の母だ。ここまでキャリアを積み上げてこられたのは、自分の辛い状況を周囲に包み隠さず打ち明け、「仕方ないなあ」と理解してもらってきたから。一人で抱え込まず仕事を分担してもらうやり方は仕事でも家庭でも同じだ。今春就職した長男は「お母さんを見ていて生きるというのは働くことだと教わった」という。嬉しい言葉だ。マネックスグループの執行役員、高岡美緒さんは長期の海外出張をこなしながら3歳から小3まで、二男一女を育てる。コツはやるべきことに優先順位をつけることだ。それでキャパシティを超えるものは外の力を借りる。このスタンスは会社でも家庭でも一貫している。「キャリアも育児も長期ビジョンなんてない。そのとき最良の判断を下していくだけ」だ。

 「管理職になってほしいと声をかけてもなりたがらない」と経営者が嘆いている。女性活躍推進法のもと、女性管理職30%の目標を義務付けられても肝心の女性が動かないのだという。しかし、スーパーウーマンたちのこんな様子を見れば、会社トップにも、管理職候補の女性たちにも大いに参考になるのではないか。