クラウドソーシングは女性活躍をすすめる本命になるか?

米国ではネットを通じて働くフリーランスの働き手が労働力人口の35%、なんと5500万人にのぼるという。対岸の話ばかりではない。人口比で米国の3分の1にすぎない日本でもネットを媒介として働く(クラウドソーシング)人の数が400万人に迫っているという。将来の伸びしろは大きいものがある(日経6-25)。

 

この働き方は、育児や介護、待機児童問題が早期に解決できないかぎり、女性活躍をすすめる本命になるかもしれない。企業が仕事を発注し、不特定多数の個人が働くクラウドソーシングは子育て中の主婦など埋もれていた人材の掘り起しで人手不足の対応策となる可能性があるからだ。実際、この業界の勢いは右肩上がりで、2017年末には3年前の2.6倍まで拡大するという見通しだ。

クラウドソーシングは当初、IT系の専門職の仕事からスタートし、やがてデータ入力などの低料金の仕事で市場を広げてきた。最近では大手企業も多様な仕事の要員として活用するようになってきた。

 

日本の職場は勤務時間に対して給料を払うという形態の従業員を雇ってきたのだが、それが少子高齢化で必要人員を充足できない事態となった。そこで登場したのが成果に対して報酬を払うという形態の働き方といえる。働きたくても働けなかった人がネット上で活躍できるようになる主役はいうまでもなく、女性と高齢者だろう。