オープンイノベーションは働き方改革の高度な一面

日本企業の研究開発投資が過去最高になったことが日本経済新聞の調べで明らかになった。投資総額は昨年比4.5%伸びて9年連続の増加となる。今後、日本の製造業は人工知能(AI)や自動運転など最先端の分野に積極投資していく。(日経7-26)

研究開発投資で首位のトヨタ自動車は1兆800億円を投じるが、今後は巨額の投資を有効なものとするため、「仲間づくり」が必要として共同開発やアライアンスを加速する。この中には研究者が外部と連携していくオープンイノベーション活用のための投資が含まれているのが目を引く。オープンイノベーションは仲間づくりの機会となるものとして大手、中小を問わず一斉に走り出している。
外部の様々な異なった意見を取り込んで、ビジネスに生かすというのがオープンイノベーションのめざすところだ。連携によって双方がメリットを得るためには、意思決定のプロセスやスピード感など様々な企業文化の違いを乗り越えて歩み寄ることが必要になってくる。パートナーとしての信頼関係とともに、社内関係部門の協力体制や管理職層の意識、組織の変化も重要になってくる。こうして企業を取り巻く垣根は低くなり、トップ層にはご近所付き合いが新たな役割として課されるだろう。

オープンイノベーションの現場では「横」の動き、つまり多様性が必要になってくる。知と知の組み合わせからイノベーションが生まれるからだ。自分の専門ではない領域の人との交流をはじめ、個人的な交友関係を広めたり、多趣味に生きたりすることが一人一人に要求される。これはまさしく高度な働き方改革の一面だ。