やってみなはれ精神で働き方改革に挑む

女性社員の育休取得率が100%、復帰の態勢も整って、女性活躍の分野で先頭を走るサントリーが、今度は「変えてみなはれ」という社内サイトを立ち上げて、全社の働き方の見直しに本腰を入れている。(日経新聞3-10)

 

社内サイトはグループ12社の7,000人が対象。従業員が働き方の事例を共有することで社内にある知見を集めようというのがねらいだ。例えば従業員一人一人の年次休暇の取得状況などを部署全体で共有するといった部署ごとの取り組みから、経費精算を円滑に進めるための個別のスキルなどが共有できる。幅広い知見を部署や個人に合わせて取り入れてもらおうというわけだ。サイトでは従業員の意識を高めるため、働き方改革に関する政府や企業の動きなども紹介する。サントリーは2018年に年次休暇の取得日数を15年比で3割増の16日に増やすなどの目標を揚げている。

 

かつて開高健、山口瞳という芥川賞、直木賞作家2人を擁したサントリーだ。彼らがつくった「人間らしくやりたいナ、人間なんだからナ」という広告コピーに代表されるヒューマニズムが当時の若い世代を魅了したのだろう、長いこと、就職人気ランキングでは上位の常連だった。そんな会社のヒューマニズム追求=働き方改革だ。創業者の口ぐせだった「やってみなはれ」精神で思惑通りの成果がもたらされるだろうか。