お役所も動き出した「働き方改革」

働き方改革が地方自治体にも及んできた。ノー残業デー、庁舎の一斉消灯、時差出勤やフレックスタイムの導入…。横浜市では勤務場所や時間を問わないテレワークの試行を広げる。今年後半の半年間、区役所・企業局以外の全部局を対象に実施予定だ。(日経2-10)

 

希望する職員には市からノートパソコンを貸出し、自宅からオフィスのパソコンにアクセスする。だが、貸し出すパソコンは15台で、対象になる職員が数千人規模であるのが笑い話のように聞こえる。

東京都は昨年10月から「午後8時完全退庁」を実施した。この月は前年に比べ1人当たりの残業が3時間減った。埼玉県北本市もこれを参考にして20時完全退庁を試してみた。午後7時半に庁内放送を流し、午後8時には警備員が巡回するなどの工夫をした。全職員400人のうち一日平均十数人が8時以降も働いていた。総務課では「仕事量が減らないのに、時間だから帰れと言いすぎると家に持ち帰る懸念がある」と説明する。

 

政府の「働き方改革」の大きな柱となっているのが長時間労働の是正だ。フレックスタイム制度や休暇を時間単位で取得できる企業は中小にも広がってきた。民間企業の月平均残業時間は16.1時間。都職員は13.5時間。ただ本庁に限れば都職員の残業時間は22.1時間を数える。住民サービスの確保や法令上の規制などの関係から、働き方の制度づくりはこれからという自治体がほとんどだ。