あしたから正社員!女性の転身願望が高まっている

パートや契約社員として入社後、正社員や総合職に転身して活躍する女性が増えている。読売新聞の日曜版特集では、働くうちにもっと責任の重い仕事に挑戦したいという女性たちの思いが芽生えてくるのだと、この傾向を伝えている。いわゆる非正規雇用については企業の正社員登用に対して国が助成金を出して後押ししているのだが、これまでの実績はわずか年間数千人にすぎない。女性たちの飛躍したいという気持ちこそが正社員への転身を加速するのではないか。

労働政策研究・研修機構の調べによると、この1年間に非正規社員を正社員に登用した企業は約4割。このうち登用に伴って年収を1割以上も上げた企業が8割もあった。一方で地域限定の社員から異動に制限のない正社員に登用する動きもある。この春、キリンビール神戸工場の工場長に就任した女性(52)も、入社時は仕事の役割が小さい地域限定社員だった。親から地元で働くようにと自宅から通勤できる福岡工場に就職。仕事は品質管理だったが、働くうちに「もっと深くビール造りに関わりたいという思いが募り、5年後に総合職となって、その後工場長へのキャリアをたどってきた。この例から同社では地域限定社員から総合職への転身制度を新設。現在は新卒全員を総合職として採用するまでになった。

海外からの労働力の移入などが性急に議論される昨今だが、足元を見ると国内にはまだまだ女性や高齢者など十分に使い切れていない人材源がある。女性たちの正社員への転身願望はそういう可能性を実感させるものだ(11-4 岩崎)。