「女性活躍」の目標達成一番乗りは資生堂か

 女性活躍の成否はトップの号令がカギだというのが定説になってきた。それを裏付けるように、「女性活躍企業100」(日経ウーマン)で資生堂が3年連続1位に輝いた。同社が、女性が働きやすい会社へと進化を続けてきたのは歴代経営者のトップダウンの成果だと日本経済新聞(5‐7)が本紙特集で伝えている。

 資生堂の女性活躍の歴史は古い。大まかに進化の過程を分析すると、90年代は女性が働きやすい環境づくりであり。2000年代に入ると女性登用に取り組んだ。福原義春社長や前田新造社長などが陣頭指揮で組織改革に挑んだ。いま、それが結実したかたちだという。働く女性は多かれ少なかれ子育てかキャリアかの二者択一で悩む。だが、資生堂では両方を手に出来ると女性マネジャーの一人は話す。
女性活躍の大きな指標となっている女性管理職の割合は、現在、全産業平均が10%に満たないところ、資生堂はすでに27%を超え、国の目標である30%に迫っている。社内では子供がいるいないに関係なく様々な部署で女性社員が活躍している。

 昨年、資生堂ショックというのがあった。子育て中の女性社員にも、ほかの社員と同じシフトやノルマを与えることになったと報じられ、ネット上で騒ぎとなったのだ。美容部員の「働き方改革」がマスコミに流れる中で、女性にやさしい会社が一転、女性に厳しい会社に舵を切ったというわけだが、これも実は美容部員の活躍の範囲を広げるというのが狙いで、その後意図どおりに成果をあげてきた。やっぱり資生堂は女性にやさしく、働きやすい会社であるのは違いないようだ。