「健康通知表」で従業員の健康づくりを加速する

厚生労働省が「働き方改革」の一環として、企業の従業員の健康状態をデータ化して判定した結果を通知する仕組みづくりに取り組むという。肥満や血糖値などを会社ごとに点数化し、同業他社や全国平均との比較も出来るようにする。(日経新聞12-17)

 

いわば健康通知表。まずは全国約1400の健保組合を対象としてスタートする。通知表にどんなデータを盛り込むかは、有識者の意見も聞き今年度中に結論を出す。血圧や中性脂肪など従業員の健康状態を示すデータのほか、使った医療費の水準などをもとに各社の健康度合いを判定して点数化する。レーダーチャートのような図をつくることで他社と比較しやすくなり、健康増進を加速する根拠となる。また一方で従業員の健康への配慮を欠く健保には罰則を強化する方針だ。例えば特定健診や保健指導の実施率が基準を下回る組合には高齢者医療への拠出金負担を増やす。健康通知表は2018年度から段階的に始め、20年度に全面実施する。通知表の活用で企業の健保の取り組みがどれほど前向きになるか、注目される。

 

長時間労働や生産性の停滞の問題化で、従業員の健康に配慮する企業が増えている。政府にとって企業への健康を支援することで医療費の抑制という面も見逃せない。働き手の健康に会社がどう気を配るべきか、一定の尺度が見えてきそうだ。