LGBT該当者は全世代で8%。企業の手さぐり対応が進む  

 

LGBT(性的少数者)の認識が深まるにつれ、企業が社員への対応に本腰を入れ始めた。経団連も人事制度や採用選考時の注意点をまとめた指針をつくり、差別解消を呼びかけている。性別を問わないトイレなども登場してLGBT関連ビジネスも広がっているという。読売新聞(8-21)が伝えた。

 

経団連の指針は具体的だ。採用活動のエントリーシートでは性別記入欄を廃止する。携帯電話の「家族割」の範囲を同性パートナーにも拡大するなど。これに伴って、企業も「配偶者」の定義に同性パートナーを加えたり、別居手当や慶弔休暇の対象にパートナーを加えるなどを制度化してきた。産業界がここまで緊急性をもって対応しているのは人手不足という背景がある。人口減少の中で競争力を維持するためには多様な人材に視野を広げていかなければならないのだ。だが、問題は法律面の整備が遅れていることだ。どのような方針で取り組めばいいのか、制度設計はこれでいいのか。民間企業だけでは判断が難しい面が多い。危機感をかかえながら、企業の模索が続く。

 

LGBTビジネスは6兆円規模という試算がある。ホテル、銀行、生命保険、電話通信、航空会社、ブライダル関連などの業界で様々な商品やサービスがLGBT化しつつある。マーケット規模はどうかといえば、電通が2015年に調査した結果では20~59歳で約8%がLGBTに該当するという。