育児休業の復職後、しだいに窮屈に感じる女性配慮の職場環境
小さな子どもを持つ女性の転職が目立ってきたと日経新聞(12-5)が伝えている。転職の一因には子育て中ということで特別視される窮屈さがあるという。受け皿としてママ社員を戦略的に採用する企業も出てきた。
「子育てしながら管理職として職場でどう振る舞うか」「子育て中というだけで業務範囲を狭められてしまう。もっと自由に働きたい」。そんなセミナーも開かれている。10歳と3歳の子どもを抱える、ある女性社員は得意の英語と財務の知識を活かして外資系メーカーへの転職を考えている。
子育て中でも転職で働く環境を変えたいと考える女性は多い。リクルートキャリアが1日に発表した調査では、子どもがいる女性求職者の転職理由(複数回答)は「自身の成長やキャリアアップのため」が41.2%。同じ立場の男性を6.9ポイント上回り、女性にキャリア意識を持ち転職を考えている人が多いことがわかる。
転職に活路を見いだすママ社員の受け皿となるのはどんな会社か。化粧品・健康食品メーカーのアンファーがママを積極採用するきっかけになったのは、部長の女性が育休から復職してから活躍が目立っていたため。大手IT(情報技術)コンサルのアクセンチュアはこの5年間で子どもを持つ女性社員が6倍になった。細やかに用意された研修などの環境整備で定着を図る。
バイリンガルや専門職の人材紹介業のロバート・ウォルターズ・ジャパンにも相談にくる女性が増えている。育児休業からの復職後1、2年は配慮された環境で過ごすが、次第に配慮を窮屈に感じ、相談にくるという。これまであまり語られなかった女性キャリアの一面だ。