職場で瞑想すれば生産性の向上につながるか
過熱する「働き方改革」だが、狙いとするところは何と言っても生産性の向上だ。その目標に到達するアプローチとして、仕事にいかに集中するかという心理的な試みも無視できない。日本経済新聞(9-11)がレポートしている。
ヤフー本社(東京・千代田区)では朝9時から「瞑想」研修を行なっている。まだ人影まばらなオフィスの一角で、車座になった男女10人あまりのグループがインストラクターの指示に従って、瞑想(めいそう)したり、ゆっくり立ち上がって歩くなど、1時間ほど繰り返す。同社が、希望する社員向けに行なう「マインドフルネス研修」だ。禅の瞑想法を起源とするこの種の研修はグーグルが社員研修にいち早く取り入れたことで知られている。
同社では、「何週間か続けると、ストレスの軽減や仕事中の集中力アップを自覚できるようになる」と話す。仕事の最中に、過去や未来の自分にとらわれることなく、「いま瞬間の自分」に心を戻すコントロール力をアップするのがマインドフルネスだ。それが集中力につながるのか。
日本のオフィスワーカーは生産性が低いとされる。だが、どんなことをすれば生産性を高められるのか?に対する答えはまだない。それが見つかれば「働き方改革」のほとんどの問題点は解消されるはずなのだ。しばらくは心理的アプローチからも目が離せない。