管理職になりたい、条件しだいでなりたい女性は合わせて35%
「女性が活躍する企業は業績もよい」と、女性登用を推進する非営利団体「カタリスト」の代表、デボラ・ギリスさんが読売新聞(7-23)のインタビューで答えている。カタリストは1962年に設立され、世界各地で女性のキャリア向上に力を入れ、上級管理職登用を企業に促すなどの活動を展開する団体だ。
同団体の活動はカナダや欧州、インドなどに広がっており、日本でも2年前から事業をスタートした。現在、会員企業は世界で800社を超えている。「女性活躍は世界の潮流であり、多くの企業が戦略的に取り組んでいる。経営上の利点が大きいことを知っている経営者ほど熱心だ」(同氏)。カタリストの分析によれば、米フォーチューン誌が選んだ世界の主要企業を分析したところ、役員に占める女性の割合が高い企業ほど、収益力が高い傾向がみられるという。そして、日本企業の女性登用の遅れについては「企業のトップが経営上の優先課題として女性の活躍推進に取り組んでこなかったことが大きいと分析し、今後とも女性が力を発揮できる環境づくりを続けるべきだとした。
当たり前の指摘に見えるが、日本にはそれとは別の事情もあるだろう。女性が持つ管理職への関心の薄さだ。最近の調査で管理職を希望するかという問いに、「希望する」と「条件によっては希望する」合わせて35.9%。女性管理職のイメージは、「家庭と仕事を両立しづらい」が69.4%という数字を見れば(㈱ビースタイル調べ)、問題は経営者ばかりでなく、社会全体に手をつけなければ解決しないというのが歴然としている。
企業の経営層が頭を悩ませているのは、そこなのだ。