猛暑対策にテレワークの威力

職場以外の場所を結んで働く「テレワーク」が猛暑の夏に威力を発揮している。最高気温の予想が35度を超えたらテレワークとする会社も現れた。その日はスマホを使って社員に出社不要を通知するという(読売7-26)

ソフトウエア開発のI社(東京・品川)がそれで、猛暑日には平均で3割の社員がこれを利用している。暑い中、出勤するのは体力を消耗する。社員の生産性を高める目的で始めたという(広報)。この例に見られるとおり、テレワークが企業の事情に合わせて多種多様に広がっているのは間違いない。
日立製作所は働く場所の選択肢を増やす「サテライトオフィス」を拡大している。全国41か所で1日平均、約2500人のグループ社員が働いている。その日の予定に合わせて働く場所が選べると社員の間で好評だという。約150人がテレワークを利用するマツダ本社では鉄道事故などで出勤が困難になった場合も在宅勤務を許可している。三菱重工業は育児と介護に限定していた在宅勤務の制限を撤廃して、配偶者が妊娠中の男性社員にも対象を広げた。トヨタ自動車も対象を育児・介護に限定した制限を撤廃した。1週間に2時間以上出社することを条件として在宅勤務を認める。

働き方改革の一つとして関心が高まっているテレワークだが、従業員100人以上の企業の導入率はまだ13.9%にすぎない(2017年 総務省)。総務省は毎年7月に「テレワークデイズ」を実施して普及を進めているが、今年は延べ約30万人が参加する見込みだ。政府は2020年までに導入率を3割超まで引き上げる目標を掲げている。