海外へ飛び立つ子連れの女性キャリアたち

「キャリア断絶」という言葉がよく使われるようになった。国内に女性の就業者は7000万人いる。このうち半分は子どもを産むと仕事を継続するが、残りは出産前と同じ仕事には戻れない。これがキャリア断絶だ。休業か復帰するかという白黒ハッキリした選択肢しかなかったためだ。女性が働き続けられるようにする各社の動きを日経(5-25)がレポートしている。

 

ソニーは休業中もある程度、会社とつながっていたいという女性社員のニーズに着目した。近く休業中に在宅で業務が出来る制度を本格導入する。語学などの研修費用も一部負担するというおまけもある。KDDIは休業中の女性社員向けの社員サイトを開設した。これによって復帰に向けて有意義な情報を提供したり、上司とのやりとりで会社とのつながりを促す。サントリーホールディングスや味の素も、育児や介護、配偶者の転勤に伴う退職者が復職できる制度を導入した。利用者は増えているという。

女性活躍推進法が施行されて1年がたった。人材確保の手立ては新規採用だけでなく、自社内の働き手を埋もれさせない方法が必要だと気付き始めた企業の動きが気になる。

 

海外でキャリアを積もうという女性社員を支援しようという三菱商事の例もある。女性社員の海外転勤に子どもも帯同できる制度を創設した。配偶者の反対などで自分のキャリアパスをあきらめてほしくないという狙いだ。そういう風景も10年後には当たり前になっているかもしれない。