待機児童の数、保育所に申し込んでいなければカウントされない
意外な事実が知られていないのではないか。待機児童とは保育所に申し込んだ人から入れた人を引いた数のことで、つまり申し込んだ人だけが対象になる。もともと保育所に申し込みをしていなければ待機児童にカウントされないのだ(日経電子版10-8)。
野村総研が未就学児をもつ母親約4000人を対象に2017年4月の保育所の申し込み状況を調査したところ、保育所の利用ができなかった人のうち、「申し込みをしたがいずれにも入園できなかった」人は42%だった。一方で「そもそも申し込みを行わなかった」が40%にのぼった。申し込みをしなかった理由は、「自分の条件では難しかった」「保育課に可能性が低いと言われた」という答えだった。この人たちの子どもは申し込んでいなければ待機児童にカウントされなくなってしまう。待機児童数に現れない、もう一つの数字があるということだ。隠れた保育需要である。
同じ調査で分かったのは、保育施設に入れたかどうかは母親の就労状況で違うということだ。母親が就労している場合は83%が認可保育施設に入所していた。認可外保育所を利用しているのは11%だった。母親が就労していない場合は認可保育施設に入れたのは59%だった。どの施設も利用できなかった人は24%にのぼったという。