大手に比べてテレワーク普及が進まない中小企業の事情  

 

東京、神奈川地域のテレワーク(在宅勤務)の普及の様子を日経新聞(7-21)が伝えている。政府は東京オリンピックの開会式の24日を「テレワーク・デイ」として、この働き方改革を推進していく予定だ。オリンピック期間中の混雑緩和への期待がある。

 

今月24日には1000人規模でテレワーク体験の職場を広げる。「東京テレワーク推進センター」を東京・飯田橋にオープンして企業の相談を受け付ける予定だ。記事ではいくつかの企業のトライアルの様子を伝えている。IT系のS社は全従業員37人が一斉にテレワークする。社外の共用オフィスなどの利用料は会社が負担。災害時を想定した試みだそうだ。同じIT系大手のC社は全従業員の9割が参加してテレワークを体験する。社内講習会などを行ない、原則3日までの認める人事制度の利用を促進するきっかけにする。さいたま市にあるSS社は育児・介護中の社員のテレワークを進める。男性も子育てをしながら働いてもらいたいというのがねらいだ。T地方銀行では主に企画系の職員のテレワークを本格導入する準備を進めている。現在の10数人規模を年内には倍増させる予定だ。

 

これらの実例を見るかぎりでは、中小規模の企業のテレワーク普及は意外に低調な印象が残る。大手企業に比べて働き方改革の切迫感が希薄なためだろうか。オフィスづくりにフリーアドレスなどを導入して「待ったなし」の状況を先行させる大手企業などに比べると、テレワーク導入はスピード感があまりともなっていない。