団塊ジュニア、納得しないと買い物しません
45~48歳の団塊ジュニア世代の消費が伸びない。現在の50代後半が40代後半だった時と比べると、月の消費支出額は1割弱少なくなっている。バブル崩壊後の就職氷河期を経験し、今でも高額消費を避ける傾向が強いようだ。ただ、生産年齢人口の1割を占めるこの世代の需要を掘り起こす余地は大きいとみて、小売業界は関連サービスを競い合っている。(日経07-24)
30代から40代で車や家を購入し、50代でブランド物などを買い、定年退職すると旅行などの余暇にお金を使う。消費の世代別変化を前提にしたマーケティングは通用しなくなってきた。小売業では団塊ジュニアへの注目が高まっている。
団塊ジュニアは収入が上の世代よりも少なく、財布の紐が固い。背景は1990年代初めのバブル経済崩壊後の就職で氷河期に直面したことだ。新卒採用時に正社員になれずに無職や非正規雇用になった人が多いことも影響している。加えて、バブル期に入社した世代と、人手不足で早い時期から処遇改善が進む若手に挟まれ、重要なポストに就く機会が少なくなっているという。
しかし、この世代は全てに買い渋りをするわけではない。高島屋日本橋店の2階が「本物志向」の男性を狙った雑貨や嗜好品を集めたコーナーに様変わりした。売れ筋の高級歯磨き粉の価格は1個2千円と汎用品の10倍する。それでも月に100個も売れるほどの人気だ。1万円程度が多い観賞用の盆栽は月70点ほど売れ、想定を大きく上回る。このコーナーで買い物をした高島屋のカード会員の約2割が40代。この年齢層はノーブランドでも自分の欲求を満たす『こだわりの一品』を求めると高島屋は分析する。そごう・西武も新規開拓で最優先するのは40代。この世代は財布のひもを締めるところは締め、好きな物には消費をいとわないという。高級外車のリースや資格スクール、子供の宿題も含めた家事代行サービス。物やサービスが売れない時代でも成長しているのは、実は団塊ジュニア世代の消費行動や意識の変化をすくい取ったものが多いようだ。