会社の儲けの7割は整理整頓で決まる
ダスキン事業や経営コンサルの㈱武蔵野という会社がある。社長は小山昇氏。マスコミにもよく登場する名物経営者だ。その小山社長は常日頃、「会社の儲けの7割は整頓で決まる」と説いている。その意味するところは一体なんだろうか(日経4-16)。
「置く場所があるからモノが増える。モノが多いほど整頓の手間がかかる。逆に、モノを減らせば、整頓がラクになる」と、小山社長の説明は簡単明瞭だ。同社は経営サポートを事業の一つとしているが、小山社長が経営指導に乗り出した企業には一日がかりでモノの整理をしてもらう。社員総出で社内にあるモノを外に出し、洗いざらい並べて、要らないモノを捨てていく。このようにしてトラック何十台分もの在庫を捨てた会社もある。しかし、そこまでやる前にできることがある。それはモノを置く場所を減らすということだ。モノを減らすというのはすなわち整理だ。整理を進めていくのは、経営戦略に通じる高度な知的作業だと小山社長は考える。整理のトレーニングを積み重ねることで、社員がぐんぐん成長していく。こうして会社は儲かるようになる。
働き方改革、オフィス改革と、最近の企業は「改革」流行りだが、企業である以上、目先を変えるだけが目的でやるわけにはいかない。それが経営改革につながり、売上げ増につながり、業績向上につながらなければ、せっかくの投資がお遊びに終わってしまう。小山社長の整理整頓哲学は一考に値する。