「休み方改革」をすすめて休暇後進国の汚名を注ぐ
働き方改革の各論にいつの間にやら名前が付くようになった。有休や休憩、定休がとれるようにするのが「休み方改革」。オフィスにフリーアドレスを導入したり、託児室や休憩室を設置するのは「オフィス改革」だ。休み方改革の課題を日本経済新聞(7-10)が伝える。
休み方改革は企業側の切羽詰まった事態から急速に進んでいる。有効求人倍率が43年ぶりに1.5倍に達して人手不足が深刻になってきたのだ。人口減が進んで労働力人口(15歳以上の就業者数+求職者数)は減り続けている。人手不足の解消に王道はない。若い社員や女性を念頭に休みやすい環境を手を尽くして実現していくほかない。
同紙が各社の取り組みを簡潔にまとめている。
コンビニA社は部署ごとに一斉休暇をとる仕組みを導入。働き方改革と合わせて生産性の向上をめざす。
住宅B社は営業最前線でも一斉休暇をとれるよう隔月で計4日の定休日を設定した。
運輸C社は業界初の定休日を導入。人材確保の切り札にする。
航空D社は仕事と休暇を組み合わせた「ワ―ケ―ション」を導入して有休消化率100%をめざす。
電気E社は土日を入れて最長16日間の長期連続休暇の制度を設けて活用を推進する。
各社の施策は「職場一斉」というのがキーワードのようだ。日本企業の有休消化率は48.7%(2015年)。世界でも最低の水準だ。「休み方改革」を進めて人手不足に先んじるのは、休暇後進国の汚名を注ぐことにもつながる。