中堅企業の従業員増加の秘訣は何か
日本経済のけん引役と期待される、売上高100億円以下の上場企業約1000社の中堅上場企業「NEXT1000」を対象に3年間の従業員増加数をランキングしたところ、9.85%増となり、大手上場企業の増加率の1%強を上回った。(日経05-14)人手不足が叫ばれる社会で従業員数増加の秘訣は何か。
「NEXT1000」のうち単独の従業員数が50人以上売上高100億円以下の上場企業の460社を対象とした。従業員総数が3年前との比較で、9.85%増えた。日経500種平均株価を構成する上場企業は同期間に1.32%増だった。もともとの規模の違いはあるが、中堅企業は人手不足のなかでも着実に雇用を増やしている。
従業員増加数が多い企業をランキングすると、精神疾患の患者の訪問看護に特化したN・フィールド、健康管理システムのバリューHRや、自動車部品や電気機器メーカーへのエンジニア派遣を手掛けるアルトナーなど、時代ごとに変化する社会のニーズを捉えた独自の事業モデルで成長する企業が上位に入った。
また、IT(情報技術)など人材獲得競争が激しい分野でも、働きやすい環境づくりを進めることで成長を続ける企業がランクインした。サイト運営代行のメンバーズは残業時間が減っても従業員の収入が減りにくいように賃金制度を改善するなど、効率的に働ける仕組みを整えている。企業の業務システム開発を手がけるアイルは、社員にきめ細かく接する体制を整え、離職率を1割未満に抑え、毎年40~50人のペースで社員数が増加している。
社会のニーズを捉える目と、働きやすさに配慮する心が中堅企業の成長の秘訣である。