デスクまわりが乱雑だと、自分だけでなく職場全体の生産性を下げることになる

著書『一流の育て方』で世界的なベストセラーを放ったムーギー・キム氏が、整理収納という問題について耳の痛い話をしている。「あなたのカバンの中、きれいですか?引き出しは整理されていますか?パソコンのデスクトップ画面は、フォルダーやなにやらカオス状態じゃないですか?」(東洋経済オンライン8-26)

 

ムーギー・キム氏は世界各国でビジネスを経験してきたグローバルエリート。世界中の職場で働いてきた同氏によると、「仕事のIQ」の高さ、低さは整理力に現れるということだ。多くの上司、同僚、部下を観察して得た結論だという。整理力の弱い人は、まず机の上が汚い。資料や領収書は失くすし、PC内のファイルも行方不明になる。資料の細かな数字が間違っていることも多い。

整理力は「仕事のIQ」の中でももっとも重要であり、本質的な仕事能力の一つであると指摘する。整理整頓が出来ない人は仕事全般の生産性が低い。逆に整理整頓が出来ている人はファイルや資料が物理的に整理されているだけではない、頭の中の情報や知識も整理されているのだ。整理整頓の出来ない人がチームにいると、共有のスペースにまで影響が及ぶ。職場、オフィス全体の「戦略的時間比率」」を下げることになるわけで、自分だけでなく、「職場全体の生産性」を左右してしまう。

 

キム氏の警告をまとめると、整理、整頓、収納の問題は自分のための整理でなく、チームのための整理という視点を持たなければならないということだ。これは、経営にとってあるいは盲点だったことかもしれない。(9-16岩崎)