テレワークで見えたオフィスの真の機能とは?

初めてテレワークに取り組む企業が多い。しかし、テレワーク導入企業の割合は米国が7割超、日本は2割程度だ。新型コロナウィルスの問題は、デジタル技術で事業を変革する『DX(デジタルトランスフォーメーション)』の日本企業の遅れを如実に示した。ただ、半ば強制的に実施したテレワークは業務改革の起爆剤になると考える。(日経04-23)

 

紙文化が居座り、書類手続き、ハンコ押印の仕事がいかに多いか実感した人もいる。管理職はテレワークにより、部下のマネージメントに戸惑っている。今まで、部下が忙しそうにしていたり、頑張っているかどうか雰囲気で管理していたと気がついた人が多いのではないだろうか。部下も、自宅にいて正しく評価されるのか不安になっている。上司と部下はこまめに1対1でチャット機能などで連絡を取り合うことが必要だ。日本企業には言葉にしなくてもわかり合える、忖度する風土がある。言葉での伝達を意識し、上司はそれに応じて仕事を割り振るなどの対応が求められる。

 

業務改革として、定型的な事務作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に任せる仕事と、人間同士が会って話す仕事との選別が挙げられるこれから先、在宅勤務を導入しても、社員の対話を目的に出勤を促すことはありえる。働きがいの中核は信頼関係だ。対面でコミュニケーションが取れるオフィスは、テレワークにより真の必要性が明らかになった。